全12話を通して

20080321

H2Oの最終回を見ました。
今日は全12話を通して私が思ったこと(所謂「レビュー」的なもの)を書きたいと思います。
その性質上,多くのネタバレを含むことになりますので,まだ最終回までご覧になっていない方はご注意ください。
それでは,読みたい方は「続きを読む」をクリックしてください。
まず,全体を通していえることは,構成が緻密で素晴らしいということです。
これを具体的に説明することは難しいのですが,一つ挙げるとすれば,「ある程度先を見てから前の話に戻ると,その話の見方が変わる」ということです。
例えば,第1話(第1刻)を最初に見たときと,第6話くらいまで見てから再び戻って見てみるのとでは,同じ出来事でも受け取り方が確実に変わります。
また,最初のほうの話でよくわからなかった場面は,後の話を見ることによって初めてその意味がわかるようになっています。
つまり,最終回まで見て初めて第1話を完全に味わうことができるのです。
これが素晴らしいことなのか当たり前なのかは,深夜アニメの視聴経験がほとんどない(本作品が初)私にはわからないのですが,少なくとも個人的には素晴らしいことだと思っています。

内容の面でも,感動させるべきところと笑わせるべきところのメリハリがしっかりとついており,感情移入がしやすい作品でした。
実際,作品を見ながら涙を流したり笑ったりすることは非常に簡単でした。
特に,村の閉鎖性に由来する種々の問題と必死に戦う主人公の姿には感銘を受け,主人公とともに戦っているような感覚を味わうことができました。

このように,全体を通して非常に良くできているといえるのですが,難点がないというわけではありません。
それは,「最終回の後半部の展開が些か強引なのではないか」ということです。
以下この点について考えることにします。
最終回のエピローグで,音羽の尽力(「精霊会議」にかけた)によりはやみは復活します。
これによりハッピーエンドを迎えるわけですが,これには少々無理があるように思えます。
一般的に考えて,このような非現実的方法を用いる際にはそれ相応の準備が必要であるはずなのですが,それが乏しいのです。
つまり,「精霊会議」とは如何なるものかということについてほとんど言及されていないのです。
おそらくそれに言及する時間的余裕がなかったのでしょうが,視聴者としては狐につままれたような感覚に陥りました。
それでは,どのような結末にすればよかったのかについて考えます。
「精霊会議」についての言及を増やすことが最も簡単なように思えますが,先程も述べたようにこれでは時間的に厳しかったのではないかと思われます。
そこで考えられる方法の一つとして,私の好きな作品「もしも明日が晴れならば」のように,「転生による再会」が考えられます。
この場合の利点は,「踏切事故による死」を生かせる点です。
しかし,これを描くにしてもそれなりの準備が必要ですし,転生という概念は本作品の主題から大きく外れるものですので,やはりこれは不適でしょう。
そこで,「そもそもはやみは踏切事故で死ぬ必要があったのか」ということが問題となります。
この点について考えるときに誤解してはならないのは,「踏切事故」という出来事自体は非常に効果的であるということです。
この踏切事故によって主人公の琢磨は,母親の死の真相を初めて完全に想起することができたのですから。
しかし,はやみが死んでしまうことが物語の展開上本当に有効だったのでしょうか?
ここで死んでしまったことによって今回の問題点が発生しているように思えてなりません。
そこで,「はやみを死なせないことによってハッピーエンドへの道筋をつける」という方法が有力であると考えられます。
具体的な展開としては,
踏切事故によって母親の死の真相を想起
→はやみを拒絶する理由が消滅
→琢磨とはやみの間に存在する全ての障壁が消滅
→奇跡的に一命を取り留めたはやみとハッピーエンド

といった具合でしょうか。
ただ,この方法も時間的に厳しいのではないかと思われます。
つまり,どのような方法をとるにせよ,「時間が足らない」ということです。
根本的に解決するためには,「全13話構成」にするしかないのではないでしょうか?

以上,色々と批判めいたことも書いてきましたが,私個人の意見としては,この作品は十分良作と呼べると思います。
上では書きませんでしたが,絵もきれいでしたし,声優さんの熱演も光っていました。
深夜アニメの面白さに気付かせてくれたことに感謝しています。
有難うございました。

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コメント

初めまして、ブレイズです。H2Oの考察、興味深く読ませて頂きました。特に題名のFOOTPRINTS IN THE SANDについての本編とどういう結び付きがあるのか分からなかったので、とても助かりました^^。

この作品は12話だった。それ故、詰め込む事が出来なかった部分を各自で想像する事が出来るという利点もあると思っています。完成されてないが故の魅力がこの作品にはあると思います。

色々ブログの方を見て回りましたが、「精霊会議」という言葉と「はやみの死」をどうとらえるかで、意見が割れているように感じます。はやみが生き返ったか、死んでいなかったかの二択かと思いきや、精霊化しているという解釈をしている人もいたり、ちょっと驚いています^^。しかし私は1話からの流れから、精霊が現実に干渉する力は無いと考えているので、弘瀬から貰った鈴を身につけているはやみは本物じゃないのかなぁ・・・と思っています。精霊会議の力で生き返ったと考えるならば、オタク特快さんの意見はかなり筋が通っている風に感じました。参考にさせて頂きます^^。

後、私は死に囚われた時に眼が閉じられる~等の音羽のセリフに多々理解しずらい部分があったので、その辺も時間があればもう一度見直そうかな・・・と考えています。この事について何かいい意見がありましたら、教えて頂ければ嬉しいです^^。

トラックバックも送らせて頂きます。これ以外のアニメの記事も書いているので、ぜひ読んでみて下さい^^。これからもよろしくお願いしますm(__)m。

ブレイズさん,はじめまして。
コメント有難うございます。
私もこの記事を書いてから,多くの方のブログを拝見したのですが,やはり解釈が結構割れているようです。
私見では,はやみは事故死した後,「精霊会議」によって生き返ったと解釈したのですが,「精霊化」したという意見を見たときは私も正直驚きました。
最初は若干無理があるようにも思えたのですが,よくよく考えるとこの説を客観的に批判できる材料が少ないことから,この「精霊説」が最も綺麗な終わり方なのかもしれません。
なお,この「精霊説」に頼らない場合は,生き返ったのか,そもそも死んでいなかったのか…ということになりますが,この辺は第1話からもう一回丁寧に検証する必要があるのではないでしょうか。
何か新たなことがわかりましたら,またブログに書きます。
今後とも宜しくお願い致します。
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